2023年7月号

鉄道のある暮らし・ない暮らし

 1872(明治 5)年10月14日に、日本初の鉄道が新橋・横浜間に開業して150 年が経過した。鉄道(および路面電車などの軌道)は国の近代化の礎となり、国土の形成に大きな役割を果たしてきたとともに、現在においても生活を支える重要なインフラである。しかし、近年では自家用車の普及、少子高齢化などさまざまな要因から特に地方部では鉄道の利用が少なくなり、2022 年にはJR各社から利用者が少ない路線の路線別の収支が公表されるなど、地域の基盤となっている鉄道の存続に関する議論が行われている状況である。鉄道に維持には大きな経費がかかり、そのためには利用者が一定数存在することが必要である。
 しかし、現状の利用状況からみると、とても存続が 厳しい路線も多く存在する。では、国土を維持し、地域での生活を維持する上で鉄道はなくても良いのだろうか。 鉄道がなくなった場合、どのような居住が可能となるのだろうか。全国を見回すと、これまで鉄道の廃線を経験した地域や鉄道の存続を選択した地域が存在する。
 そこで、本特集では、既に鉄道を廃止した地域、存続させた地域などの状況を概観し、将来の鉄道のある暮らし・ない暮らしについて考察する。

 

企画編集:岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域 教授 橋本 成仁

 

鉄道を活かすまちづくり                  
 流通経済大学経済学部教授 板谷 和也

流山市におけるつくばエクスプレス沿線のまちづくり    
 流山市まちづくり推進部まちづくり推進課

鉄道代替バスを活用したまちづくり
 〜旧江差線の廃線経緯、代替バス等の現在の公共交通施策〜
  江差町まちづくり推進課係長 中島 崇詞
       〃     主事 滝口 朝

 

広場

社会問題の解決に向けた新潟から発信する、お金の使い方を考える円卓会議を開催して
 特定非営利活動法人新潟国際ボランティアセンター 代表理事 三上 杏里

公営住宅の管理形態が居住者の評価と住み替えに及ぼす影響
 室蘭工業大学理工学部創造工学科 准教授 真境名 達哉

第75回通常総会報告