2023年5月号
住まいを巡るDX
近年、DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進が社会課題の一つとして謳われている。2021年5月にデジタル改革関連法が成立し、9月にはデジタル庁が創設されるなど、日本でも社会におけるDX推進に関連した政策が本格化してきた。民間のビジネス分野では多くの企業がDXに取り組んでおり、その数も急増している。住まいの分野にもその波は寄せてきており、2021年3月の住生活基本計画(全国計画)においてもDXへの対応が目標に謳われるほどである。DXが進展すれば社会活動や人々の生活が大きく変わっていくことは間違いない。
しかし現在のところ、住まいに関わる分野でなにがどう変わればDXたり得るのかは必ずしも明らかではない。地域に目を向けた場合も、DXによる住まい方、暮らし方の変化はどのようなものかはやはり明らかとは言えない。また、DXを促進するにも、それを阻む社会的な要因はあり、一方で進展につれて新たな課題が生じる可能性もある。
このような背景と問題意識のもと、今号では住まいをめぐるDXの状況や課題を論じることを特集のテーマとした。現状においては、こと住まいに関連するDXはこれからの取組みを待つ段階であり、必ずしも具体的な取り組みが多く行われているわけではない。しかし今後の進展は明らかであり、それに伴う諸課題への対応の必要性も高い。本特集を通じて、DXによる住まい方の変化に、読者諸兄が少しでも思いを馳せられることを期待したい。
企画編集:横浜市立大学大学院都市社会文化研究科 教授 中西 正彦
住まいの関連分野におけるDX推進の課題
横浜市立大学大学院都市社会文化研究科 教授 中西 正彦
住宅業界におけるDX推進に向けた取り組み
一般社団法人住宅生産団体連合会 DX推進計画策定ガイドライン作成WG 座長 宮内 尊彰
DXを実現するための情報基盤となるべき住宅のBIM
株式会社BIMプロセスイノベーション代表/BIM Evangelist 伊藤 久晴
県営住宅におけるDX推進
〜入居申込へのデジタル技術の活用〜
埼玉県都市整備部住宅課
トピックス
令和4年度国際居住年記念事業「国際居住年記念賞」の受賞者の決定について
一般社団法人日本住宅協会
広場
大阪府におけるPFI方式を用いた公営住宅の建て替え事業の現状と展望
‐事業の経済性及び選定講評からみた‐
日本工営都市空間株式会社大阪支店営業企画部 濱田 勇衣