2025年7月号

「一低専」を問い直す 
―閑静な住宅地から魅力ある近隣へ―

 第一種低層住居専用地域(一低専)とは、良好な住環境を保護するため、建物の種類や用途が厳しく制限された低層住宅中心の地域である。住宅双六の上がりである「庭付き一戸建て」の用地として主に郊外部において開発され、都心の喧騒から離れた一低専の「閑静な住宅地」は、日本における最良の住環境とみなされてきた。しかし近年は、地域の高齢化の対応するための商業・サービス施設の不足、活用されない空き家・空き地の増加、地域コミュニティの機能低下、若い世代やポストコロナのライフスタイルに対応した魅力の欠如など、一低専でありながら(あるからこそ)多くの問題を抱えた地域が増えている。
 そのため、従来の「一低専=閑静な住宅地」という前提を問い直すような取り組みが、各地で進んでいる。本特集では、官民の様々な主体によって試みられているそれらの意欲的な実践を集めることで、これからの住宅地像を再定義していくための機会としたい。

 

企画編集:大分大学理工学部理工学科建築学プログラム 准教授 柴田 建

 

特集1  「一低専」の課題解消から住宅地の再定義へ
 大分大学理工学部理工学科建築学プログラム 准教授 柴田 建

特集2 居住エリアの環境向上の取組み   
 国土交通省住宅局市街地建築課指導係長 浦住 悠人

特集3  ポストコロナの新築のむ商店街 BONUS TRACK   
 ツバメアーキテクト 山道 拓人

特集4 なりわい暮らしから地域価値を創造する〜hocco〜
 小田急バス株式会社不動産ソリューション部 中山 晴政

特集5 地域づくり交流拠点「あいなか」による伊敷団地の課題解消の実践
 〜鹿児島市の住宅団地活性化の一方策
  ランドブレイン株式会社鹿児島事務所長 岩切 翔

特集6 新たな価値を提供し続けるまちを目指して〜高蔵寺リ・ニュータウン計画〜
 春日井市企画経営部企画政策課主査 奥田 良太

特集7 自然と調和した『さんぽまち』の魅力化〜北広島団地〜
 北海道北広島市企画部企画課長 下野 直章

特集8 地域住宅団地再生事業による多世代共生・持続可能なまちづくり 東小川住宅団地
 埼玉県小川町政策推進課 上 翠

特集9 用途地域等の全市的見直しによる「住み、働き、楽しみ、交流する場所」の創出
 株式会社都市環境研究所 實方 理佐

第77回通常総会報告   
 一般社団法人日本住宅協会