2017年3月号

地方住宅供給公社の現在

 地方住宅供給公社法の第1条には、「住宅の不足の著しい地域において、住宅を必要とする勤労者の資金を受け入れ、これをその他の資金とあわせて活用して、これらの者に居住環境の良好な集団住宅及びその用に供する宅地を供給し・・・」と規定されています。この目的に向けて、地方住宅供給公社は住宅不足の解消に向けて、戸建分譲、マンション分譲ともに地方圏、都市圏での住宅供給において多大な貢献をされてきたことは言うまでもありません。
大量住宅供給の時代が終わり「量から質」へと住宅政策の舵が切られて久しく、それからはコーポラティブ住宅、環境共生住宅、輸入住宅団地等民間のハウジング業者がなかなか踏み込めない事業を活発に展開してきた歴史があります。また市街地再開発事業や土地区画整理事業への参画等市町村と連携した事業の広がりが見られます。
 今後、一層の地方分権が推進される将来、住宅供給公社のような実施機関なしには地域の住宅行政の諸課題が解決されていくことは難しいことと思います。
そこで本特集では、今日、地域の住宅行政の実施機関として地方住宅供給公社が果たしている地域の住宅行政の課題の解決に向けた多様な取り組みを紹介する機会としました。

 

企画編集:一般社団法人日本住宅協会
編集協力:一般社団法人全国住宅供給公社等連合会

地方住宅供給公社への期待と展望
  横浜国立大学名誉教授/森記念財団理事長/大丸有エリアマネジメント協会理事長 小林 重敬

地方住宅供給公社の事業展開と今後の役割について
  一般社団法人全国住宅供給公社等連合会 会長 林 桂一

地域づくり支援事業について
  山形県住宅供給公社

高齢者・子育て支援に対応した公社賃貸住宅の供給
 ‐サービス付き高齢者向け住宅を中心とした地域課題に対応した事業/元総社公社賃貸住宅‐
  群馬県住宅供給公社 事業部事業推進課

埼玉県住宅供給公社の公営住宅における取組み
  埼玉県住宅供給公社経営企画室経営企画課

公社賃貸住宅の建替えにより創出した用地を活用した事業
 ‐サービス付き高齢者向け住宅整備事業及び高齢者・障害者・子育て世帯居住安定化推進事業等
   /コーシャハイム千歳烏山‐
   東京都住宅供給公社少子高齢対策部少子高齢対策課

地域の特性を活かした団地再生・活性化への取組み
 ‐住宅団地型既存住宅流通促進モデル事業 横浜若葉台団地‐
  神奈川県住宅供給公社 団地再生事業部事業企画課

地域課題の解決に向けた持続可能な住宅供給事業
 ‐マネジメントするまちづくり(多世代交流の実現) ‐
  横浜市住宅供給公社 街づくり事業部街づくり事業課

大規模団地における団地再生プロジェクト
 郊外型団地再生プロジェクト 〜泉北ニュータウン 茶山台団地〜
  大阪府住宅供給公社 住宅整備部団地再生課

住まい情報センター事業の取り組み
  大阪市住まい公社(大阪市住宅供給公社)

オールドニュータウン問題への対応モデル事業
 兵庫県住宅供給公社 住宅企画部明舞団地再生課

淞北台団地住宅団地型既存住宅流通促進モデル事業
  島根県住宅供給公社住宅事業課

多世代がともに暮らす団地再生事業
 ‐スマートウェルネス住宅等促進モデル事業/小笹団地‐
  福岡県住宅供給公社建設事業部建設計画課

 

住宅だより海外編

海外の居住環境改善活動報告
 スリランカ訪問記 ‐セレモニーホールの完成他 村民の力による住環境の改善
  NGO新潟アピの会 代表 倉田 洋子