2014年1月号

特集/HOPE計画の30年と地域住宅のみらい

 昭和58年に旧建設省の補助事業として創設されたHOPE計画(地域住宅計画)は平成25年に30周年を迎えた。この間、多くの地方公共団体において計画が策定され、地域の住文化に根ざした、住まいづくり・まちづくりが実践されてきた。同計画は地方分権、人口減少、少子高齢化、安全・安心、地球環境保全等、現代社会が求めている社会的要請を先取りしたものとして、ハード面での実績のみならず、地域住宅に携わる様々な団体や個人の活動などソフト面での実績も含めて高く評価されている。
 一方で、平成3年の設立以来、同計画の普及を目的として様々な支援を行ってきた「地域住宅計画推進協議会」は、計画普及に一定の役割を果たしたとの認識に基づき、今年度の活動をもって解散することとなった。そこで、今号では先進地における取り組みなどからこれまでの30年間にHOPE計画が地域の住まいづくりに果たしてきた役割について振り返り、事業の評価、将来の展望など様々な観点から検証することを目的とした特集を組むこととなった。本誌では2004年2月号で「地域住宅の検証と今後のあり方」と題した特集が発行されているが、その後10年が経過し、社会を取り巻く環境、求められる住宅政策のあり方なども大きく変化している。特に東日本大震災の復興においては、地域の担い手による、地域の木材を使用した「地域型復興住宅」の取り組みが各地で進められ、今後の復興まちづくりにおいて、重要な役割を果たすことが期待されている。10年前の特集と見比べながら本号を読んで頂くとより一層興味深いものになると思われる。

 

企画・編集:北九州市立大学都市政策研究所教授/地域住宅計画推進協議会企画運営委員長 内田 晃

 

【HOPE計画30周年記念対談】HOPE計画の意義とその残したもの
 渡邉 定夫/岩田 司/内田 晃

HOPE計画と三春の住まいづくり、まちづくり
  岩田 司

100年後もHOPEある町であり続けたい 〜継承と蓄積のまちづくり/HOPE計画とともに〜
  鈴木 洋

HOPE計画の果たした役割と将来課題
  川崎 直宏

ホープ計画30年 地域住宅計画推進協議会解散の機にこれからの地域住宅推進を想う
  三井所 清典

 

広場

公営住宅等事業事例に関する調査 概要報告
 一般社団法人日本住宅協会