2013年1月号

特集/自治体による空き家対策

 各地の自治体で、空き家等の適正管理に関する条例が相次いで制定されている。空き家は、防犯、防災といった安全面、景観面などで周辺地域に外部不経済を及ぼすことから、住民の福祉の増進を図る役割を持つ自治体にとって苦肉の策と言える。
 空き家対策としては、本誌平成22年1月号「特集:住まいづくり・まちづくりの取り組み〜空き家問題への対応も視野に」で紹介したような、既存住宅流通促進、移住・住み替え支援なども必要である。また、平成24年7月号「特集:中古住宅の創造的再生」で紹介したように、リフォームやコンバージョンによる利活用方策も必要である。しかし、国全体として世帯数の減少が進む以上、こうした方策だけで空き家問題に対処することには限界があり、外部不経済を最小限に抑えるための管理や解体といった選択肢が避けられない。
 本号では、先進的な自治体による空き家問題への取り組みを紹介するとともに、空き家対策の現状、課題に関する研究者及び法律家の論考を取り上げる。主な読み手としては空き家問題に悩む自治体職員を想定している。地域特性によって問題の質は異なるため普遍的な対策を提示することはできないが、各自治体の問題解決の一助となることを期待するものである。

企画・編集 独立行政法人建築研究所住宅・都市研究グループ主任研究員/
筑波大学大学院システム情報工学研究科准教授(連携大学院) 樋野 公宏

 

 

空き家問題をめぐる状況を概括する
 独立行政法人建築研究所住宅・都市研究グループ主任研究員/
 筑波大学大学院システム情報工学研究科准教授(連携大学院) 樋野 公宏氏

空き家の解体除去施策の現状と課題
 呉工業高等専門学校建築学科 教授 篠部 裕氏

法的観点から見た空き家管理条例の可能性
 松田綜合法律事務所 弁護士 佐藤 康之氏

大仙市における空き家対策
 大仙市総務部総合防災課長 進藤 久氏

所沢市空き家等の適正管理に関する条例の制定による、空き家対策について
 所沢市総合政策部危機管理課防犯対策室 日高 義行氏

長崎市における老朽危険空き家対策とまちづくり
 長崎市建設局建築部建築指導課/長崎市建設局都市計画部まちづくり推進室

足立区におけるごみ屋敷対策について
 足立区環境部生活環境調整担当課長 島田 裕司氏

 

広場

進む高齢化と県営住宅の学生シェアハウス‐兵庫県型団地再生、明舞団地での取り組み
 大阪市立大学大学院創造都市研究科客員研究員 久保園 洋一氏

地域包括ケア拠点としての「生活クラブいなげビレッジ虹と風」
 社会福祉法人生活クラブ風の村理事長 池田 徹氏

「住生活月間」フォーラム 「多様な居住ニーズに応じた住まい方」
 〜シェアハウス、コレクティブハウス、生活支援サービス等〜 住生活月間実行委員会

 

住宅だより海外編

―国際居住年記念基金事業 海外の居住環境改善活動報告―
 「世界の問題に気づき、考え、行動する人をひろげる」WE21ジャパン活動紹介
 特定非営利活動法人WE21ジャパン 民際協力室 森田 夕紀氏